第三章 求められる覚悟~決意の証明

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 ***  その日の夜、両親はきちんと早く帰ってきた。夕食の後、リビングで二人は芽生の向かいに座った。  「実は……子供の父親のことなんだけど……」  両親の答えを聞く前に芽生は先に話しかけていた。  「父親?」  「うん。あの……昴流……中村(なかむら)昴流なの」  父親は分からないようだけど、母親は誰か分かったようだ。  「まさか、中村さんの息子さん?」  芽生は頷いた。どんな反応をするか怖かったけど、母親は意外なことを言ってきた。  「中村くん、この街にいたんだ。お母さん、すごく心配されてたのよ」  「え、どうして、昴流のお母さんを知ってるの?」  子供同士は同級生だけど、働いている芽生の母親に対して、昴流の母親は専業主婦だ。  「時々会うわよ。買い物とかで。お母さんもいろいろ聞いてるから心配だったのよね」  それほど近所ではないけど、離れているほどでもない。確かに、行く店が同じでも不思議ではない。
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