揺れ心

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その夜、玄関のチャイムがなった。 浩平がきた。 どうしょう。 覚悟を決めてドアをあけた。 「華、どうゆうことだ!」 それはこっちのセリフだよ。 「別れるなんて嫌だからな。」 もう、ほんと無理だ。 「あなたは、ひろこさんと結婚して、子供の父親になるの!」 「違うから、あいつが言ってることはでたらめだから。」 言い訳ばっかりうんざりだ。 「悪いけど、私、結婚するから。」 「そんな相手いないだろ。」 「課長にプロポーズされたの。」 「ふざけんな。 俺と付き合ってるのに二股してたのかよ。」 「二股してたのはあなたでしょう。 帰って、もう話は終わり。帰らないなら警察呼ぶから。」 しぶしぶ、帰っていく浩平の後ろ姿、 前はかっこいいと思っていたけど。 くたびれた、おっさんにしか見えない。 恋の魔法が溶けてしまったみたい。
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