ツバメファミリーの恩返し

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「すっげ~。完全に俺の言っている言葉を理解してるんだな。じゃあ、お願いしますっていう意味? 」  ちょっと首を傾げたツバメだが、うんという様に頷いたので、尚季はツバメが石を指したのと、「お願いします」を関連付けて考え、まさかなと思いながら閃いたことを口にしてみる。 「願いが叶う石って感じ? 」  突然7羽のツバメがパタパタと羽を振って正解を祝っているような仕草をしたので、尚季は内心そんなものあるわけないと思いながらも、顔に笑顔を張り付けて、ありがとうと言った。  その言葉を聞いた途端、7羽のツバメはガーデンチェアーから飛び立って、尚季の頭上を円を描くように飛ぶと、一斉に青い空へと吸い込まれるように上昇していった。  尚季は願いが叶う石を握り締め、元気でなと手を振りながら空を見上げて、小さくなっていくツバメをいつまでも見送っていた。
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