願いが叶う石

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「なぁ、ちびすけ、さっき言ったよな。沢山動物の声を聞いて、俺が満足したら耳が消えるかもしれないって・・・・・・」 「言ったキュル」 「だったらさ、動物病院は飼い主を相手にしないといけないから無理でも、ペットを預かるペットサロンにすれば、他人と接するのを最低限に抑えられるし、生活費も稼げるよな」   玲香が拍手をして、尚季の意見をいい案だと褒めたので、単純な尚季はこの耳も役に立つじゃないかと前向きになる。 「よしっ!決めた。瑞希にペットサロンを開くと伝えるよ。上手くいけば動物病院に来るペットを紹介してもらえるだろう。おっしゃっ!やる気でた~~~! 」 一人ではしゃぐ尚季の頭上から、ちびすけが大丈夫かなと首を傾げて玲香を見ると、玲香も反対方向に首を傾げ、能天気すぎるよねと心の中で呟いた。 声にださずとも届いたようで、ちびすけは大きくブンブンと頷いた。そんな二人に気付きもせず、善は急げとばかりに、尚季は玲香に別れを告げ、ログハウスへと自転車をこいだのだった。  
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