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星紳士とリルちゃんは、町でいちばん高い電波塔よりも、雪をかむった遠くの山よりも高くたかく飛んでいました。
「星紳士、わたしたちどこに行くの?」
星紳士はすこし首をかしげただけで、なにも言いません。星紳士はことばが話せないようです。
「わかったわ。あなたにちゃんとついていけばいいのね」
星紳士はコクリとうなずきます。頭の星がうれしそうに桃いろの光をおびました。
ふと、リルちゃんが自分の足もとをのぞきこみますと、家々のあかりがまるできらきらとかがやいて、お母さまの宝石ばこをずっとずっとりっぱに、大きくしたように見えました。
リルちゃんはそのあまりのものすごさに、くらくらと目がくらんで、しまいにはふっと気をうしなってしまいました。
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