3 星のお墓

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はっとしてリルちゃんがふりむくと、星紳士がゆらりと地面にたおれるところでした。 手から離れたステッキはこまかなちりとなって、地面にふれるよりも先に見えなくなり、中身をなくした星紳士のスーツと手袋がひらひらと落ちるのと同時に、頭の星が地面にぶつかってきいん、と割れました。 リルちゃんはびっくりしてしまって、しばらくボンヤリとその亡きがらをながめていましたが、やがてポロポロとなみだを流しはじめました。リルちゃんのなみだはちいさな水晶のかけらのようになって、星紳士の上にそそぎました。
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