3 星のお墓

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気づくとリルちゃんは自分のベッドのなかにいました。 夢だったのかしら。 リルちゃんは思いましたが、でもそうでない証拠には、リルちゃんの手のひらにはきいろいトパァズのかけらが、大事そうに握られていたのです。 星紳士は、ひとりだけ残されてしまった、かわいそうなお星さまだったのだわ。 だからわたしをつれて行ったのね。ひとりぼっちで生きることよりも、ひとりぼっちで死ぬことのほうがつらいもの。 わたし、もうひとりぼっちじゃないのね。 だれもいないお家のなかで、リルちゃんはにこり、とほほえみました。 (了)
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