2人が本棚に入れています
本棚に追加
この喫茶店に、給仕をしている一寸綺麗なお嬢さんがいるのを、君も知っているかな。
僕は席に座って彼女を眺めながら、想像せずには居られない。彼女がいま、誰かに恋をしているとしたら…とね。
イヤ、当たり前の恋物語などに僕は惹かれやしないよ、僕は恋愛小説は書かんからね…
僕が望むのは、彼女の恋が破れることだ。
そうだな、例えば身分違いの恋をしたとか、相手に許嫁がいるとかはどうだろう?
決して拒絶の果ての失恋ではいけない。相手を憎む気持ちは、時に悲しみを塗り潰して仕舞うから。
そう、彼女を逃げ場の無い絶望に追い込んでしまう必要があるのだよ…
最初のコメントを投稿しよう!