第4章ハッカー…ジャン!

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第4章ハッカー…ジャン!

ジャンは優れたハッカーであった。 しかし、何故ジャンがニホン企業である「CRS」に入社したのか、はっきりした理由はわからない… ジャン自らアピールして入ったと聞いている。 ジャンはハッカーとしてチュウゴクでは有名で、現在もチュウゴク企業何社から… ジャンを大金で引き抜こうとしていた。 しかし、不思議な事にジャンは勧誘には一切応じなかった。 多くのチュウゴク人と付き合ったわけではないが、大半のチュウゴク人は、金が第1と考えていて… 金を多くもらえる企業に転職するのが当たり前だと感じていた。 それは、チュウゴク転勤の前に、親父からこんな事を聞いたからだ… 親父は機械工で、高精度の医療機器部品を加工する仕事をしていた。 高精度加工において、ニホンで行なっていたが、僅かな利益を生み出すため、チュウゴクで行う事になった。 そこで、親父は加工職のマスターであった事から、チュウゴクにある生産工場でのチュウゴク人加工職の育成を任されたのであった。 何年たったのだろうか? 教え子の教育期間が終わり、加工職としてのノウハウおよび技能、技術をチュウゴク人作業者に伝授し、親父は帰国する事となった。 そして、親父の送別会が開かれ教え子は涙ながらに、別れを惜しんだ。 親父は、きっとこの教え子達がこの生産工場を支える人材になる事を確信していたのだが… チュウゴク人はニホンで行なっているノウハウおよび技能、技術を修得してたことで、チュウゴク企業は、引く手数多になり… それにより、チュウゴク企業の給料も高額になり、こぞってニホン企業の生産工場を辞めるのであった。 親父の苦労も虚しく、こんな事が普通でチュウゴク人にとって、当たり前のようだ。 そんな事を俺は親父から聞いていたので、俺が転勤して仕事上ではジャンが俺の指導員でもあったが 俺は、この男ジャンもお金が多くもらえる企業に行ってしまうんだと感じていた。 しかし、ジャンの考え方は他のチュウゴク人とは違っていた。 ジャンは、裕福と言えない家庭に生まれたが両親は、お金への執着が無く… 口癖は人へは「感謝」辛い時でも「ありがとう」をジャンに教えていた。 両親から受け継いだ口癖「感謝」「ありがとう」そしてジャン自ら生み出した言葉「ラッキー」をモットーとしていた。 この口癖「感謝」「ありがとう」はジャンの両親がジャンがお腹の中にいた事、あるニホン人から聞いたのだと、ジャンは知り、ニホン企業に入る事を夢としていた。 しかし、ジャンの両親は、急速に進んだ大気汚染により… この世からいなくなったのであった。 ジャンは急速に進む汚染に疑問を抱いていた…
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