宣戦布告

30/31
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/782ページ
「イスズ。モモカ姫のお茶会コーナーは大人気だから、相当着飾らないと城下町中に恥を晒すわよ」 恐ろしい見解を示されて、イスズはおもいっきり青ざめた。 「な、な、ナナコ様。いつものように見繕って貸してくださいませ」 「い・や。あんた、今、狙われてるんでしょ。そんなの引き連れて家までこられるなんて、冗談じゃないわよ」 「うっ……」 そう言われると、イスズも重ねて頼める気がしなかった。 「この際、一着くらい自分で用意しときなさいよ」 「でも、自分で選べる気がしない」 「何のために店員がいると思ってるのよ」 「話しかけられたら、回れ右する」 「あんたねぇ。あ、そうだ。ソレイユさんに見立ててもらえば」 「なぜに?」 「なぜにって、ほんとイスズはオカルト以外に疎いわよね。いーから、黙ってお願いしなさい」 「ええー……」 言われて、イスズはソレイユをちらりと視線を向けた。
/782ページ

最初のコメントを投稿しよう!