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「イスズ。モモカ姫のお茶会コーナーは大人気だから、相当着飾らないと城下町中に恥を晒すわよ」
恐ろしい見解を示されて、イスズはおもいっきり青ざめた。
「な、な、ナナコ様。いつものように見繕って貸してくださいませ」
「い・や。あんた、今、狙われてるんでしょ。そんなの引き連れて家までこられるなんて、冗談じゃないわよ」
「うっ……」
そう言われると、イスズも重ねて頼める気がしなかった。
「この際、一着くらい自分で用意しときなさいよ」
「でも、自分で選べる気がしない」
「何のために店員がいると思ってるのよ」
「話しかけられたら、回れ右する」
「あんたねぇ。あ、そうだ。ソレイユさんに見立ててもらえば」
「なぜに?」
「なぜにって、ほんとイスズはオカルト以外に疎いわよね。いーから、黙ってお願いしなさい」
「ええー……」
言われて、イスズはソレイユをちらりと視線を向けた。
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