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知らない人に選んでもらうなんてとんでもないけど、異性のソレイユに選んでもらうのもどっこいどっこいだ。
「何遠慮してるのよ。こうなったのはソレイユさんがきっかけなんだから、進んで協力してくれるでしょ」
ナナコの発言はイスズに向けていながらも、内容的にはソレイユに向かっていた。
「はい、責任を持って選ばせていただきます」
そんなわけで、当のイスズを介さずに予定が決定してしまった。
「えぇー……」
臨時出費に場違いなお茶会。
しかも、正体の知れない相手には狙われている身だ。
心霊スポットでよくないものをもらってきたかのように、とことんついていない続きのイスズだった。
「ところでイスズ、郵便局には寄って来なかったのか?」
所長に言われて、イスズは帰った時にナナコに代わって事務所で番をしてくれているジェットに渡された封筒を思い出した。
送り主の名前は書いてないながらも、イスズはためらいなくペーパーナイフで封を破いた。
「……」
ついてない時というのは、重なりやすいものらしい。
今更になって、宣戦布告とも取れる脅迫状が送られてきたのだった。
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