強制護衛

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「先日の掲載、ありがとうございました。礼が遅くなってすみません」 「いえいえ。こちらこそ、寄稿いただき感謝しています。おかげで、あの号は評判がよかったんですよ」 「そうですか、安心しました。どうしても発表したくて、無理にお願いしたのではと心配だったんです」 「何をおっしゃいますか。また載せたい論文や発見があれば、ぜひ、うちに任せてください」 「ふふ、ありがとうございます。所長にも伝えておきますね」 小さい会社だからか、社長自らイスズを歓迎していた。 聞いていた通り、イスズは優秀な研究者なのだろう。 ただ、ソレイユが納得いかなかったのは、イスズが和やかな態度でいることだ。 社会人としては当たり前の対応なのだが、あれだけ理由もわからず散々な言われようだった自分はなんなのだと思ってしまう。
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