強制護衛

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「この話は持ち帰って、研究所で話し合ってみますね」 「どうぞ、どうぞ。ぜひとも、よりよい返事をお待ちしております」 イスズが別れの挨拶をしているのが聞こえたので、ソレイユも情報収集を切り上げる。 「では、失礼いたします」 イスズは笑顔で別れを告げていた。 そして、出版社を離れるなり、再びぶすっとしてしまう。 ソレイユは横目で、帰りも無言の道中かと憂鬱になった。 どんなに苦手な相手だろうと、騎士が護衛の役目を担ったのなら私情は挟まず、完璧に守り通さなければ意味がない。 「俺には後がないんだからな……」 ソレイユは拳を握りしめ、改めて決意を確認した。
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