強制護衛

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顔を上げたソレイユは、それにしてもと考える。 イスズは、これまで出会った中で記憶にないタイプだった。 初対面でソレイユの顔に注目するまではありがちな反応だったが、そこから先は読めないことばかり。 妙に謙遜されて距離をおかれることは立場的にあることなのだが、イスズの場合は心から嫌だと思っている気配がぷんぷんした。 その後の態度でも、全身で迷惑だと言われているようで、騎士とはいえども面白くないものは面白くない。 「いや、待てよ」 ソレイユは、ちょっと考え方を変えてみることにした。 嫌々オーラを出しつつも、イスズは外出に同行を許し、ビームス所長の指示に従っているのだ。 へたに距離感に気を使うよりは、これくらいの方がソレイユには望ましい環境なのかもしれなかった。 そんなことを考えながらイスズの一歩半後ろを歩いていると、用心深くついてくる男がいることに気がついた。
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