強制護衛

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研究室でみんなと一緒だと、それだけでイスズの気持ちは安定した。 「失礼します」 そんなところにソレイユが合流してきたものだから、イスズは鬱陶しく感じてしまう。 その中には、あからさまに邪険にした後ろめたさがあるのだけど、どちらにしても自分一人で処理できなかったせいなので、何か文句を言える立場になかった。 というよりも、さっきまでの非礼を詫びなければならない立場にいるのだけど、なんとなく言いたくない気分にさせられる相手だった。 「イースズさーん!!」 不意打ちで、部屋の外から元気のあり余っていそうな大声が聞こえてきたから、ややこしくなりそうな予感がする。 バンっと扉が開かれて飛び込んできたのは、予感通りのジェット・リーチだ。 しかし、同時に、イスズに想定外のことも起こった。 イスズを庇うようにソレイユが立ち塞がったのだ。 「イスズさん、その無駄にでかい男は誰ですか」 確かに、成長期前となる十三歳のジェットと比べるとソレイユはかなり高い。 しかも、無駄に、と付けている辺りが敵意を感じる。 まあ、イスズが言えることではないのだけど。
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