強制護衛

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「せっかく、地方の研究員を装っているのに、騎士様では不思議に思われます」 指摘は、おっしゃる通りだった。 注文の時、ちょっと危うかった自覚のあるイスズなので異論はない。 なのに、なんだかわからない抵抗感があった。 しかも、最初に紹介された名前はうろ覚えだ。 「ええっと……ヴァンさん?」 言った途端に、騎士様は顔をしかめた。 理由はイスズもわかっている。 モモカ姫が呼んでいたヴァン様を思い出して引用したのだから。 「ソレイユと呼んでください」 騎士様に強めに言われてしまえば、事情を知ってしまったイスズは承知するしかないのだった。
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