第1球【始まりの季節】

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 自分達が近づくと、野球部のメンバーもキャッチボールを止め、近づいてきた。 「お、君達新入生かな?君達も一緒にやろうよ」  そう言ったのはブロンドの髪を掻き上げた三ツ矢さん。 「ありがとうございます」俺達二人の声が重なる。  三ツ矢さんは俺達に、部に参加するなら部室でジャージとグラブを持ってくるよと言った。  俺達は、お言葉に甘えて持ってきてもらう事にした。  待っている間、他の部員が話しかけてくれた。170センチ程の細身の男子と、大柄で180センチある男子、猫背の男子が居る。  細身の男子が話し始める。 「俺は永川と言います。この背の高いのが海堂、この頼りない先輩が村中さんです」  永川さんは、にこやかに言うと、猫背の村中と言われた男子が声を上げた。 「紹介に預かりました。私が野球部のユーティリティプレーヤーの村中ツトム。新入生よろしく頼むな!」  村中さんは偉そうに言うが、何だか迫力がない。 「村中さん、冗談もそのへんで。三ツ矢が来たら、彼女も含めて、君達にも自己紹介してもらおうか」  永川さんは努めてにこやか。  俺達は和やかな雰囲気に気をよくしていた。
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