なぐりがきのストレート

第2球【カラーズ】

　入学式の翌日、火曜日。俺、黒木竜馬は、夕方の街並みを抜けて、鈴音高校を目指していた。

　家からは電車を使い通っている。
　まばらに鈴音高校の全日制の制服を着た生徒が歩いている。

　ちなみに定時制には制服は無く私服で登校する。

（知らない人もいるよね……）

　今の俺の格好は、青い薄手のパーカーにジーンズ。中学の時から服装に無頓着だったが、綺麗な身なりは心がけていた。

　まず、学校に着いたら、早目の夕食が待っている。給食を食べに食堂へ直行だ。

　ロッカーのある三階に掲示板がある。そこに辰見の姿があった。給食のメニュー表を見ている。

　俺はよぉと声をかけると、辰見もどうもと返す。素っ気ないが、悪い雰囲気では無い。

　今日のメニューはカレーだと辰見が教えてくれた。