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あのころ、かき鳴らした音。
インディーズのころ、ここ大阪城の城天で、路上ライブをしていた。
いつか大阪城ホールでライブができるように、みんなが夢見ていた駅からの通り道。
昔からある聖地。
あのとき作った音をギターで弾いてみる。
加工されてない音。編曲されてない音。
魂の叫び。
青いけど、独りよがりだったけど、原点。
愛をこめて歌う。
所属先をさがしてオーディションを受けた日々。
奨励賞をもらってニューヨークでのレッスンに参加できた。
メジャーデビューできた。
ほんの一瞬だがスマッシュヒット曲もだしてそれなりの楽しいバンド生活だったが、
4年間活動後、解散した。あれから15年が経つ。
一瞬だけでも世に出たことは幸運だったのかも知れない。
思い描いてたシナリオと違うかな。
でも今は幸せなんだよな。
夢中になってギターの腕を磨いていた日々。
自分の口からどんな言葉がでてくるか、たのしみだったあの頃。
先達のコピーをしたから、
ライバルの存在がいたから、
言葉が出てきた。
頭の回転を競った
バンド仲間がそばにいてくれたから
演奏が楽しかった。
緊張と緩和、バックビートが心地よかった。
幸せのギター小僧だった。
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