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第2章 アルフヘイム混乱
静かな草原が広がっている。穏やかな風が吹くと、背の低い草は互いに擦れ、ササッと揺れる音を立てている。
緑色の草の中に異様な恰好をした5人の若者が横たわっている。5人は5人とも気を失っているようでピクリとも動かない。5人ともうつ伏せに倒れこんでいる。しかし、見える範囲で顔には血の気があるので死んでいないことは確かでもある。
そのうちの一人、ミイラ男の恰好をしている若者に数人の影が近づく。一人が茶色のブーツで男を軽く蹴る。その周りにいる者たちは弓に矢を番えて、いつでも引けるように準備をしている。
ミイラ男は一度では何も反応が無かった。もう一度、今度は少し強めに蹴る。
すると、ミイラ男が「うぐっ」とうめき声をあげて目を開けようとする。周りにいる弓を持つ者たちの手に力が込められる。
ミイラ男の恰好をしている若者が目を開け、周りの人影を見た瞬間、「ウワッ!!」と驚きの声をあげた。
彼の目の前に立つ人影は背が高く、一人は棒のような物を自分に向けて構えており、他の者は弓を強く引き、いつでも放てるように構えていた。
「貴様、オークか?!」と目の前に立つ人影が質問した。
「おーく?おーくって・・・、何?」と若者は立ち上がろうとすると、目の前の人影が棒のような物で、背中を強く押して伏せていろと合図した。
「コイツの姿、他の奴らもそうだが異様な姿をしている・・・。我々エルフとも違うし、ドワーフとも違うぞ・・・」と近づく足音の主がいった。
「エルフ・・・?エルフだって!」とミイラ男は身体を思い切り起こした。その動きに棒のようなものを手にする人影は、思い切り彼の後頭部へと棒を振り下ろした。
バキッという音と共に、彼はその場で気を失った。
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