開音

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開音

今日は…今日は… 君の心の音が聞こえた、僕にしか聞こえない優しい音、その音は泣いてる時もあるし楽しい時も怒ってる時も喜んでる時もある。 「おはよー!」 教室にこだまする君の音は今日も綺麗だ、これは僕だけが聞ける秘密の音なんだ 「ねえねえ!今日体育あるんだって!すっごい楽しみ!」 朝には少し似合わないだろうとは思うが僕に向けられたその音に反応しない訳にはいかない 「そんな珍しいもんでもないだろ、しかもソフトボールなんて、苦手なんだよな…打てないし取れないし良いとこなしだよ」 「関係ないよ!みんなでワイワイやるのが楽しいの!ミスを怖がってちゃ前に進めないよ〜?」 そんなどこかの漫画かドラマか映画で聞いたようなくさい台詞を吐いた君は他の人のところへ音を届けに走って行った 外は驚くほど晴れ、空の青さを感じ宇宙はほんとに暗いのだろうかなど到底答えには行き着かないであろう問題を1人考えていた、くだらない 僕の出す音が君に届けば良い、果たして聞こえてるのだろうか、君に向けた音なら誰よりも大きいはずなのに、少し荒い気もするけどそれでもこの音は君のためだけに出し続けたい、これは有益だ 1人で考え事をしてる時の内容はなかなかひとつにまとまらないのはなぜだろうか
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