手の上のイニシャル

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 とうとう人を殺してしまった。  どうしよう。どうしたらいいんだろう。  これはいつものような夢じゃない。いつも頭の中で考えていたようなことじゃない。  ああ、あいつの首の感触。  まだこの手に残っている。  指が埋もれた柔らかい皮膚。絞めつけると抵抗した筋肉、骨。手の中の脈、体温。  まだ……まだ生々しい。  あいつの目。  信じられないものを見るように、すごく驚いた顔をして、だけどそれがだんだん恐怖に変わって。信じられない、僕はその時全身が快感で震えていたんだ。  彼の全てを自分のこの手が支配している。  あの感じ……!  押さえつけている足の間であいつの体ががくがくして、僕の股間を刺激した。  僕は---なんてことだ射精していた。  立ち上がるとズボンの中が冷たかった。  ああ、ああ、ああ。  僕は人殺しだ。おまけに人を殺して快感を得る変質者なのだ。  誰か……誰か僕を止めてくれ!
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