始まりと終わりと

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 律香が受け入れたことで、航は口付けを繰り返しはじめた。 彼の唇は柔らかくて律香の唇にいやらしく吸い付く。 時おり唇をペロリと舐められ、体がビクッと震える。 律香の体は次第に力が入らなくなり、航にしなだれかかった。 「大丈夫?」 「……すみません」 「いいよ、彼氏なんだから頼ってよ」  幸せからくらくらする。 どこかぼんやりとする意識の中で、改めて航が自分の恋人になったことを認識し、ときめいてしまう。 「ベッドまで運ぶね?」 「ベッド……?」 「うん、迷惑?」  この時の律香は冷静な判断ができなかった。 彼に近付きたい気持ちが大きくて、ベッドまで運ばれたらどうなるのかだなんて、考える余裕がなかったのだ。 「お願いします」  そう言って、航の腕にしがみついた。
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