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このような状況になってしまった時、異性慣れしている者ならきっと上手くあしらえたに違いない。
もしくは一夜限りの遊びとして、軽い気持ちで身を任せるはずだ。
しかし律香は高校・短大と女子校を出ており、異性慣れしておらず、恋愛経験も乏しい。
その上、いつか自分にも素敵な王子様が現れるかもしれない……という年の割に純粋で、恋愛に対して憧れを抱いていた。
遊びとは捉えられない。
航の魅力に簡単に引き込まれてしまう。
首をコクリと縦に振る。
すると、次の瞬間に航は律香の唇を塞いだ。
「んっ……」
彼の柔らかい唇が、律香の唇に押し付けられる。
何度も何度も……。
まるで離れたくないというようにキスを繰り返す。
苦しくて口を開けると、柔らかくて温かい舌が侵入してきた。
それは、ゆっくりと律香の口内をかき回し、まるで別のいきもののように動く。
すっかり緩んだ口の端から唾液が溢れた。
それをジュルッと音を立ててすする航が色っぽくてゾクゾクした。
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