二章

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「とうさま、きょうはおしごとしないの?」 今「父さまといい子にしてろ」と言われたのにピンときていないらしい。 「強いて言えば、今日の俺の仕事はお前と一緒に一日過ごすことだ」 「それをいっしょうけんめいするの?」 さて俺は、仕事を一生懸命していると息子に言ったことがあっただろうか。 「まぁ……そうだな」 「たいへん?」 父親に自分と一緒にいるのが大変だと言われるのは可哀想だな。 「大変かどうかはお前次第だ」 澄生は俺の顔を穴が空くほど見つめながら言う。 「がんばってね」 「……お前も頑張れ」 子どもの反応は突拍子がなく予想がつかない。どうにも、調子が狂ってしまう。
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