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「マークス。あんたの言っていることもわかる。それに、初めに言ったろ?『確証』なんてない。不可解な行動を俺なりに分析しただけだ。だから共有して、皆に尋ねている。
『奴を回復させてしまうリスクはあるが、回復魔法を奴に唱えてもいいか?』と。
それと、奴に回復魔法を浴びせる為の戦術も考えた。
だが、この場にいる全員が納得して作戦通り動いてくれないと、恐らく成功はない」
そこから、ライはファラオに回復魔法を浴びせる為の行動パターンの全てを手短に話した。
「これが俺の案だ」
「すげぇ……これが噂の『白衣の参謀』治癒師ライのプランなのか……」
『ウィダーガリー』のメンバー2人は、ライの策戦を聞いて感服していた。
リコも、その様子をみて嬉しそうな表情を浮かべている。
ズンセックは少し険しい表情を浮かべ、マークスは強い懸念を抱いているような仕草をみせた。
「み、皆!惑わされるな!幾ら道筋が良くても、最後にするのは『回復』なんだぞ?!俺は違うっ。今の治癒師のプランの最後を『攻撃』にするだけで、奴の右脚にドでかい一撃を与えられる!!そうだろ?!」
「確かに……な」
ボソリと呟くメンバー。
それをみるなり、マークスは切り出した。
「じゃあ、多数決で決めようぜ。『勿論、最後は攻撃だ』と言う奴、手をあげてくれ」
自信ありげに切り出した。が、マークスの言葉で手をあげた者は、マークス以外いなかった。
「裏切る……のか?みんな……」
力ない言葉がマークスの口から溢れる。
「マークス、まずは落ち着け」
「親分も諦めるんすか、宝……」
「諦めてない。お前は勘違いしている。ファラオに回復魔法をするのも、右脚が弱点なのも両方仮定だろ?両方合っている可能性 もあれば、両方間違っている可能性だってある。勿論、どちらか片方だけの可能性もだ。
ここまで絶望的な数値しかダメージを刻むことしか出来なかった。それなら、ライのような馬鹿げた作戦を先に試してみるのもアリだと思う。
仮に、ファラオが回復したとしても、マークス。お前の作戦で大ダメージが与えられるかもしれないだろ?まずはライの作戦を試そうじゃないか。な?」
ズンセックの提案にマークスは黙ったままだが頷きはした。
「さぁ、そうと決まれば駄目元でやってやろうじゃねーか!!」
ズンセックの雄叫びに続いて他の者も各々に声を上げた。
「良かったね、院長ぉ!!」
「……あぁ」
喜びを見せるリコとは対称的に、ライには引っ掛かる点があった。
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