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ログイン時間が長ければ長いほど容姿も少しずつ変化をし、老いたりする。筋力や素早さも衰えたりする。だが、グデンファーは月日を重ねても、鍛練を怠らず常にトップを走り続けている。
「何人……やられた?」
グデンファーの問いにアリスが答えた。
『3人』と。
他にも重傷を負った者もいたが俺の持っていた回復薬を使用したことで助かった。
「どうなってるんだ!!スライムだろ?!」
飛び入り参加の1人が声を荒げた。
無理もない。皆武器を手にし、スキルを持って倒そうと挑んだ。こんな禁足地にわざわざ潜入するくらいだ。ここにいる者誰もが闘いに慣れ、そして自信があるからこそ逃げなかった。
結果、3人を死なせてしまう形となった。
そして、
闘いはまだ終わっていない。
攻撃を真似するスライムがいなくなっただけで、他にも新たな敵が現れた。
スライムはスライムなのだが、先ほど出会した色とは違い、赤色と黒色がやってきた。
また、攻撃を模写してカウンターをしてくるのではという畏れから、誰も大一撃目をしようとは思わないでいた。
「皆さん、十分距離を取ってください!」
アリスが指揮官として話している隙がチャンスだと思った俺は、古代詠唱により、相手の情報を入手する魔法を使用した。
「ま、魔法?!」
アリスはすぐに察知し、あたりをキョロキョロしたが、今回は俺の方に軍配が上がったようだ。俺が詠唱したことまでは気づいていない。
俺だって、アイテムを運搬するためだけに潜入したのではない。蒼の一撃の影の護衛と、あわよくばこの禁足地について何か情報を獲たい。
「なぁ、いいか?」
「どうされましたか?怖くて帰りたいですか?」
「どうだかな。それより、あんたの指示は『距離を取る』しか言っていない。距離を取ってどうするつもりなんだ?『逃げる』のか?それとも攻撃する機会を探るための『闘う』なのか。まずはどっちなのかをハッキリさせろよ」
「お、お前!!アイテム持ちがアリス隊長に向かって、何言ってるんだ!!」
蒼の一撃のメンバーが俺の発言に文句をつけてきた。
「ここは戦場だ。アイテム持ちだろが、剣聖だろが関係ない。指示するなら、蒼の一撃だけが理解していても被害を増やすだけだ」
「て、てめぇ……さっきから聞いていれば!!」
「下がりなさい」
アリスは怒りで興奮するライオトップを制止させた。
「あなたのいう通りだわ。我々はモンスターを倒してでも、『先』を向かうわ」
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