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「倒してでも……か。だったら忠告だ。赤色
と黒いのは相手にせず、退け」
「え、偉そうに!!お前何を根拠に……」
俺の忠告に対し、又もや口を挟む。
「別に闘うだけが先に進める手段じゃねーよ。別に俺はあんたらの旅を妨害しにきてるんじゃない。『サポート』しに来ているだけだ。って、言っても誰も信じてくれないよな……」
俺は、そう言い赤色のスライムに近づいた。
「ちょっと、あなた何をするつもりなの?!」
「何って、今からこのスライムに触れてやるから見てろよ?爆発するから」
「えっ?爆発って……」
口を揃えて俺の言葉を疑った。
時間をかけるのもめんどくさい俺は、ロムの実を口に含んだあと、躊躇いもなく赤色のスライムを足で蹴飛ばした。
衝撃を察知した赤色のスライムは一瞬にして膨れ上がった。
細胞が悲鳴をあげるほど膨れた表面は薄くなり、風船のように破裂した。
凄まじい音と共に、先ほどまでスライムの細胞だった物は、砕けた氷のように鋭利な部分を残したまま俺の身体を襲った。
「ちょっと!!」
アリスは俺に声をかけた。
「わ、わかったろ?危ないって……」
なんとか返答できた俺。ライフゲージは1を残し、それ以外は跡形もなく吹き飛んだ。
身体中、スライムの破片が刺さっており、痛みが伝わる。ケアせず、このままにすれば俺も死ぬかもしれない。
俺はアイテムストレージから回復薬を1つ取り出し応急した。
その間、他の者は誰一人言葉を失っていた。
ちょっとやり過ぎた……かな。
「……あなた、大丈夫?」
「お、おう!平常だ」
「嘘よ、異常よ、あなた!!一歩間違ってたら死んでたわよ?!」
「大丈夫さ。俺は魔ほ……ううん゛!え~と、そう!俺はスライムの事なら何でも知っている『スライム博士』だからな。赤スラの破壊力はプレイヤー1人のライフゲージなら吹き飛ばせる」
嘘だ。さっき、魔法で赤スラと黒スラの情報を入手しただけである。
「だから白衣を着ているの?」
「ん?あぁ、そうだ」
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