第32話 後継者と秋山からの依頼

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「倒してでも……か。だったら忠告だ。赤色 と黒いのは相手にせず、退け」 「え、偉そうに!!お前何を根拠に……」 俺の忠告に対し、又もや口を挟む。 「別に闘うだけが先に進める手段じゃねーよ。別に俺はあんたらの旅を妨害しにきてるんじゃない。『サポート』しに来ているだけだ。って、言っても誰も信じてくれないよな……」 俺は、そう言い赤色のスライムに近づいた。 「ちょっと、あなた何をするつもりなの?!」 「何って、今からこのスライムに触れてやるから見てろよ?爆発するから」 「えっ?爆発って……」 口を揃えて俺の言葉を疑った。 時間をかけるのもめんどくさい俺は、ロムの実を口に含んだあと、躊躇いもなく赤色のスライムを足で蹴飛ばした。 衝撃を察知した赤色のスライムは一瞬にして膨れ上がった。 細胞が悲鳴をあげるほど膨れた表面は薄くなり、風船のように破裂した。 凄まじい音と共に、先ほどまでスライムの細胞だった物は、砕けた氷のように鋭利な部分を残したまま俺の身体を襲った。 「ちょっと!!」 アリスは俺に声をかけた。 「わ、わかったろ?危ないって……」 なんとか返答できた俺。ライフゲージは1を残し、それ以外は跡形もなく吹き飛んだ。 身体中、スライムの破片が刺さっており、痛みが伝わる。ケアせず、このままにすれば俺も死ぬかもしれない。 俺はアイテムストレージから回復薬を1つ取り出し応急した。 その間、他の者は誰一人言葉を失っていた。 ちょっとやり過ぎた……かな。 「……あなた、大丈夫?」 「お、おう!平常だ」 「嘘よ、異常よ、あなた!!一歩間違ってたら死んでたわよ?!」 「大丈夫さ。俺は魔ほ……ううん゛!え~と、そう!俺はスライムの事なら何でも知っている『スライム博士』だからな。赤スラの破壊力はプレイヤー1人のライフゲージなら吹き飛ばせる」 嘘だ。さっき、魔法で赤スラと黒スラの情報を入手しただけである。 「だから白衣を着ているの?」 「ん?あぁ、そうだ」
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