第35話 枯樹生華

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「院長が電磁波で頭が壊れちゃったカモ?!どうしよう、グデンファーさん!!」  おい。 「うむっ……ワシの知らない状態異常がまだ有ったとはのぅ」  をい。 「アルミホイルを頭にぐるぐる巻きにしたら悪い電磁波から護れるって、死んだおじぃちゃんが言ってたよ?!」  はい? 「アルミホイルはこの世界にないからのぅ。代わりにワシの斬撃を彼の体内に隠してみてはどうかのぅ」 「な、何言ってんだよ2人とも!ってか、最後は特におかしいだろ?俺は地面と違うし、普通にグデンファーから斬られてるだけじゃないか!!」 「あ、院長が戻った」「戻ったのぅ」  何が普通に『戻った』だよ。俺はいつでも正気だ。  そして、いつも通りと言えば麒麟も同様だ。ライフゲージをいくら削っても削っても回復するから鮮度抜群の状態で挑んでくる。 「こらこら、無駄口する暇も余裕も無いぞ?奴に寄生している異物(バグ)を早く取り除かないといつまで経っても終わらないぞ?」 「そうね、これ以上院長が壊れないようにしないとね」「うむ」  人を壊れたロボットみたいに言うな。ってか、アルミホイルがあれば普通に頭に巻かれてそうな勢いだったじゃないか。白衣着た奴が頭に巻いていたら、それは誰がどう見てもマッドサイエンティストにしか見えないじゃないか。  そんな状態でグデンファーの攻撃を受けて死んでもしたら、俺はそんな状態で多くの参加者が集まるクエスト受付会場に行かないといけない事になるじゃないか。そんな悲惨な事になれば、誰も俺の診療所に患者さんが来なくなる。  あぁ、運営者さま。この世界にアルミホイルを導入してくれなくて、ありがとうございました。  そして、放ったらかしにされたことも影響してか、麒麟の怒りはまだ終わりそうにもない。激おこな様子は相変わらずであり、雷を降らすわ、自ら突進して噛みちぎろうと牙を向けてくる。直撃は免れてはいるが、放たれる一撃の圧は凄まじく、何度も回復魔法を詠唱することを余儀無くされた。
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