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「ちょ……これって?」
どんな困難でも、どんな苦悩な事があっても、闘う姿勢を貫いて来たリコ。大型ギルドに所属せずに、孤高の彼女は容姿も唯一無二の美人アバターであり1度見たら忘れられない程だ。
ルックスだけじゃなく、剣士としても最上級レベル。誰もが彼女を自分のチームにいれたいと思っているし、俺も常に思ってはいる。
誘えば毎回クエストに参加してくれているので、勘違いしやすいが、公式ギルトとして名前を掲げて登録は出来ていないようで、していない。
そもそも俺にギルトだなんて大それたチームを運営したいだなんて烏滸がましい限りだ。
そんな、誰もが慕うリコを誰よりも間近で見てきた俺だったが……
始めてだよ。リコがここまでドン引きなリコを見るのは。
「リコ、落ち着け。クールに行こう」
「はぁ?!何?私達に、ここここんな虫の肉を口に入れてやろうだなんて考えてたの?!ケラ!ナガメ!スズムシぃいいい!!!」
リコから久しぶりの罵声ラッシュを浴びた俺。確かに肉の調達をイオマンテにお願いしたが、バッタ目なんか選んでくるだなんて誰も思わないだろ、普通。
ってか、何だよ。スズムシは知っているが、ケラとかナガメとか知らないぞ?!昆虫か何かか?
図鑑でギリギリ掲載されているかどうかの微妙なラインナップとか……
「リコ、実は『昆虫』好きなのか?」
「はぁ?!馬鹿にしないでよね!!苦手に決まってるでしょ!!」
いかんいかん。つい本音が漏れてしまった。これじゃあ暫くはリコの怒りが冷めそうにもないな。誰か、鎮静化する魔法か薬を誰か俺に処方してください、お願いします。
「私……虫食べないと駄目なの?」
俺の白衣をちょんと摘み、少し震えた様子で俺に質問を聞いてきたソネル。馬鹿だなぁ。誰よりも大切にソネルの様子を見守ってきた俺が、昆虫食を強要するわけがないじゃないか。そんな事をした日には、全プレイヤーからフルボッコされる。
震えるソネルを安心させないと!
「大丈夫!ソネルの分はリコお姉ちゃんが何とか食べてくれるから」
「食べないわよ!!院長どうしたの、頭!!寄生虫にやられちゃったの?!通信がラグってるの??」
「昆虫だけにか?!」
「こんな非常時に冗談なんか言わないわよ!!」
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