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〜地本問屋江振星屋顛末記〜
時は江戸後期天保、神田明神下、神保町に地本問屋『江振星屋』有りし。
主に扱う地本は『草双紙か錦絵』なりしが、腕の良い随筆家と戯作者を多く抱えし繁盛せしもの。
随筆家や戯作者考案せしば、即座に彫り師から刷り師迄の順調な流れ作業。
ある日繁盛したるが『江振星屋』欲を掻き、三日間の改装改築を行いし、当初三日間が、伸びに伸びて五日後に店開きせしもの。
いざ、店開きをしたが良いが、紙は何処にあるか?絵師は何処に頼むか、況してや彫り師から刷り師迄が右往左往の一大事。
これには、随筆家と戯作者も呆れ顔。
随筆家と戯作者が原案出せば、今までの流れ作業が一から見直し候、草双紙か錦絵が追い付かず、随筆家と戯作者から苦言の嵐。
店を開けしが二日経とうが三日経とうが、一向に改まる気配無し。
地本書簡は届かず、一々地本問屋に出向く始末也。
その様な事から、買い手離れが始まった。
この様・・・随筆家と戯作者とて同じ!
果てさて、これ頻りに江振星屋、困り申し候!
~地本問屋・江振星顛末記~
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