友人という名の

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「傍目には楽しいっちゃ楽しいし、翔の見たことない行動と千幸ちゃんのツレなさぶり笑えるけど。 健くんは爆笑してたわよ。トラック借りて準備万端ってさすがキングって」 「彼には世話になり助かったが、やたらノリノリだったな。高校のときのあんたらはどんなんだったんだ? ……あと、そのあだ名生きてるのか?」 「大学時代の翔のあだ名がキングなんでしょ? 健くんの友達が同じ大学で有名だって言ってたの聞いたの。 高校の時はプリンスだったから、格上げされてるって盛り上がっちゃって。邦彦くんは参謀だったかしら。キングに参謀、なにそれ、国家築くの? って聞いたら他にもろもろいたって言うじゃない。しばらく笑いが止まらなかったわ。 まあ、高校時代も似たもんかも。個性強いのが生き残ったって感じで最後はわちゃめちゃだったわよ」 「……えらく楽しそうだな」 「そうね。だから今も楽しいわ。今までと違った旨みっていうの? 千幸ちゃんはちょっとお気の毒さまぁって感じだけど、まあハイスペックの好物件だから諦めて? って感じかな」 「…………」  轟は懸命にも黙した。  人の恋路に口を出したくないが、手は貸している。だから、せめて二人が関わりだしたら口だけは出さないでおこうと決めていた。  正直、あれだけ付き合わされたのだから、是非とも藤宮千幸にはこっち側にきてもらわないと困るとは思っている。口には出さないが。
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