どこを向いても

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 だが、次はこうでるのではと思うことまで予測がついてくる関係。  そのうち、食べさせてっなんて言葉を簡単に言ってきそうだとむむっと口を軽く引き結び、枝豆に手を出した。 「千幸ちゃん」 「何ですか?」 「美味しい?」 「美味しいですよ。わたしばっかり食べてるのはつまらないので、翔さんも食べてくださいね」 「…………」  食事を勧めてみても黙って見つめてくる小野寺に、千幸は首を傾げる。  そうすると頬に髪がかかりそれを耳に引っ掛けながら、ここに来てお酒を口にするだけで、何か様子を探るようにいつにも増して自分を見る小野寺の気配に耐え切れずとうとう自分から本題を切り出した。 「今日はどうしたんですか? 何か言いたいことがあったりするんですか?」  出会ってから一ヶ月、何度か食事は誘われていたがそれでも仕事が忙しそうだったので社交辞令みたいな応酬をしていただけだ。 小野寺が千幸を誘うとその横で轟が「仕事です」の一刀両断で、最後は軽く拗ねて終わるというのが常だった。  土日も不定期に仕事が入っているのか、毎日出会うがどのようなペースで何をしているのかは知らない。
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