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────それはそれは良かった? です。もう、好きにしてください。そして、朝から眩しいです。
やっぱり、この人職業ホストじゃないだろうか?
さっき分析をやめたと思ったそばから、また疑問が浮かび上がる。
きらきら陽光まで味方につけてはいるが、次から次へと無意味な甘い言葉が出てくる相手に、どうしても全てスルーということができない。
こちらは大した反応もしていないし、むしろ雑かなと思うような態度なのにどうしてこんなに嬉しそうなのだろう。
────ああ、考えても無駄かな。とりあえず、仕事に行かないと。
ふっと心の内で一息つくと、軽く頭を下げて千幸はマンションを出た。
何となく、というかもはや習慣で振り返ると、まだ見送るべく廊下の手すりのところで小野寺が肘をつきながらこちらに向けて手を振っている。
────やっぱり……。
想像通りというか、いつも通りというか。
誰もいないので大きく溜め息をつき軽く手を振り返し、小野寺と彼のそばでただただ無表情で立っている轟とひらひらと手を振る桜田に、ぺこりと頭を下げた。
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