18人が本棚に入れています
本棚に追加
綺麗な草原にはジープとトラックとバイク。カメラは三脚で立てているのかもしれない。そこにトリケラトプスの子を抱いたタキトが入ってくる。
『え~と、母さん。映像でお別れの挨拶をして、ごめんなさい。勝手ですが、オレ達はこっちの世界で暮らします。信じられないかもしれませんが、ここは別次元の地球で、恐竜が生きていて、人も暮らしています。その中で、素敵な人と出会えました。紹介します』
タキトが少しどくと、オカリナを首から提げた少女が出てきた。
『初めまして。アイナです。まだ一度もお会いした事が無いのに、突然すみません。私はタキトと出会って、これまでに無い冒険ができました。大変な事もありましたけど、短い間でタキトの事が分かりました。とても強く、とても優しい人だと・・・』
『強くて優しいのはアイナだろ? オレの憧れの人なんだから』
横のタキトが異議を唱える。
『違うわよ。私にはタキトが憧れの人で、大切な人よ!』
『おいおい、話が飛び過ぎだよ!』
『だって・・・』
仲の良い口論が始まると、カークとジェシカが仲裁に入ってきた。メモリーの残量が無い事をジェシカから告げられたので、急ぐ。
『ごめんごめん。あの、オレ達はこれまでの体験を本に書いて、あの洞窟に埋めます。たぶん、そちらに届くと思います。どうしてかは父さんから聞いて下さい』
『私は、タキトと一緒にがんばります』
『僕達も本を書いて埋めておきます』
『メッセージは洞窟に書いておくので時々見に来て下さい』
四人がVサインをすると、メモリーの容量が達して、映像が止まった。
最初のコメントを投稿しよう!