最終話・終わりと始まり

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 タキトの父はか細い声で言う。 「すまなかったな。やっぱり、連れて帰れば・・・」 「いいのよ」  タキトの母は泣く事も怒る事もなく小さく首を振る。それどころか、ホッと満ちたような表情だ。 「何か、そんな気がしてたのよ。あの子が違う世界を気に入るんじゃないかって。でも、恐竜がいるなんて驚いたわ。・・・私も行ってみたいわ」 「行けるさ。いつか必ず」  タキトの父は愛する妻に約束を果たそうと決心した。家族の再会を夢見て。 マイクもまた自分への目標を決めた。  自分があの世界を見て歩き、こっちの世界に戻った。だからこそ、二十一世紀と次の時代の子供達がこの世界に幻滅しない世界を創らなくては。  先人達が苦労を経て発展させてくれた科学技術がこの世界にはある。  あの世界を見習って、この世界にこれから必要なものを形にしよう。  二十一世紀は始まったばかりなのだ。人が諦めない限り、間に合う。  まずは、子供達の親を恐竜界に連れて行って、再会させる手伝いをしよう。
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