私は『100位ジャスト』を目指してる

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さて、目標は『100位』と決まったけれど‥‥ どうやって『それ』を達成させてくれようか。 何しろ、こればっかりは相手のある話。しかも全学年221名も居るんだし。 傾向と対策をしっかりと立てねばなるまい。 幸い、ここ1年近くの間に実施したテストの各平均点と、各テストごとに『合計何点だと何位』という一覧表は持っている。これは、順位に人名を出すと色々と個人情報の観点で問題があるかららしいけど。 とにかく、それで各回のテストごとに『100位』の点数が何点だったのかを調べたわ。 すると、各テストにおいて全平均点の132.5%の点数を取れば『ジャスト100位』になると分かったの。 各テストの平均点は問題の難易度が調整されていて、ざっと『55点前後』。 それ以上高くし過ぎる(簡単にする)と、上位陣の訓練にならないし、それ以下にする(難しくする)と、下位陣のやる気が無くなるってワケらしいわ。 つまり、試験5教科 X 平均55点 X 132.5%= 364.3点 ≒ 364点 が、私の目標とする点数になるわけ。 無論、これで『絶対』とは言えないけど‥‥ 少なくとも、ニアリーイコールにはなるに違いないわ。後は実際の試験問題を見ながら感触を確かめて調整するしかない。 作戦としては、全部が全部で『平均点 X 132.5%』を狙うのではなく。 最初から点数が出ないと分かっている数学と、もうひとつ好きになれない国語で調整するつもりなの。 何で国語が好きじゃないかって? だってさ、『作者の気持ちを考えなさい』とか、知らねぇつーの! 私は作者本人じゃないし。 もしかしたら単に『締切に間に合わなかったらどうしよう』とか思いながら書いていたかも知れんのだし! とにかく、社会と理科と英語で『そこそこ』を取って、あとは国語と数学で調整ね。幸いな事に2教科ともに最終日だし。 後は、先生の気まぐれで妙に簡単だったり、難しかったりって言うのが無ければだけど‥‥ こういう時に限って先生が「今回は難しいぞぉ、何しろ1年分全てが範囲だからなぁ~」とか言い出したり。 そうかと思えばその反対に「今回は簡単にしておいたからな? ヒヒヒ!」とか意味深な笑みを浮かべるヤな先生がいたりとか。 こっちは、それを聞く度に胃が痛くなるんだよ! 勘弁してよね! 今日も今日とて、担任が。 「2年生最後のテストだからなぁ~心して掛かれよ? 何しろ来年は受験だからなぁ~」 とかヘンなプレッシャーを掛けて来るし! 止めてよね! そういう妙にモチベーションに影響するような事を言うのは。 それで平均点が少しでも動いたら、こっちは大変なことになるんだから! 無論、私だって『それ』によって100%の確率で『100位』になれるとは思ってないわ。 けど、まったくの『0%』ってワケでも無いワケじゃん? ゼロで無いのなら、そこに夢を賭けるのも人生だって思うのよ! え?そうまでして何がしたいんだって? いやその、べ、べ、べ、別に兵吾と『付き合いたい』とか、そーゆーのじゃないの! 『幼馴染を越えてカレシ・カノジョのポジションにランクアップしたい』だの、『将来に備えて今のうちに好物件を確保(ゲット)しておこう』とか、そういう(よこしま)な考えでなくて! そうでなくて、幼稚園の頃みたいに笑いあいながら一緒になって遊びたいの。 ホントにそれだけなの。 でも中学に入ってから妙にお互いが意識するようになっちゃって‥‥まさか中学生にもなって『お砂場遊び』ってワケにも行かないしね。ネタが無いって言うかさ。 いや、そりゃぁ‥‥兵吾がカレシになってくれたら良いなぁ、とは思うケド。でも、いきなり『そう』なっても正直なところ、どう接して良いのかテンションが分かんないし。 それに、だからと言って「私じゃ‥‥ダメですか?」なんて『重い女』にもなりたくないし。そういうキャラじゃないから。 でも、そうやって何時までも遠くから溜息ついて睨んでるのも辛いのよ。 だから何かこう、キッカケが欲しい。 ホントに、それだけ。 そして。 ついに運命のテスト週間が始まったの。
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