第十八話ゴブリンの廃墟

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 俺はここでやっと気づく。 「奈々子の武器を派生させてもいいか?」 「へ? できるのですか?」 「ああ、さきほどアイテムボックスに表示されていた。おそらく狼の剣とか狼の杖、パーティーメンバーが装備していれば、持ち物として登録され、どのように改造できるかがのっているのあろう」 「じゃあおねがい」  妹の奈々子はとてもかわいらしい妹だ。  奈々子の笑顔は俺を救ってくれる。  まさにいまが救われているときだった。  奈々子は俺に狼の杖を差し出すと、   俺はそれを受け取って、プラモデルのようにつくりだすのであった。  アイテムボックスからゴブリンの骨10個とゴブリンの牙10個を取り出した。  それを狼の杖にまとわりつかせるようにくっつけていくと、  狼の杖の中にまるで吸収されるかのように、骨と牙がはいっていく、  あとはぐねぐねと棒のようにまがりくねり、  気づけばそこには一本のまがまがしいオーラをまとった杖があり、  それこそが狼鬼人の杖であた。  奈々子はそれを受け取ると、  久しぶりに見た満開の桜のような笑顔を見せてくれた。  たしか最後に見た満開の桜笑いは、  数年前だったか、  家族で水族館にいったとき、  妹は迷子になってしまった。
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