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俺はここでやっと気づく。
「奈々子の武器を派生させてもいいか?」
「へ? できるのですか?」
「ああ、さきほどアイテムボックスに表示されていた。おそらく狼の剣とか狼の杖、パーティーメンバーが装備していれば、持ち物として登録され、どのように改造できるかがのっているのあろう」
「じゃあおねがい」
妹の奈々子はとてもかわいらしい妹だ。
奈々子の笑顔は俺を救ってくれる。
まさにいまが救われているときだった。
奈々子は俺に狼の杖を差し出すと、
俺はそれを受け取って、プラモデルのようにつくりだすのであった。
アイテムボックスからゴブリンの骨10個とゴブリンの牙10個を取り出した。
それを狼の杖にまとわりつかせるようにくっつけていくと、
狼の杖の中にまるで吸収されるかのように、骨と牙がはいっていく、
あとはぐねぐねと棒のようにまがりくねり、
気づけばそこには一本のまがまがしいオーラをまとった杖があり、
それこそが狼鬼人の杖であた。
奈々子はそれを受け取ると、
久しぶりに見た満開の桜のような笑顔を見せてくれた。
たしか最後に見た満開の桜笑いは、
数年前だったか、
家族で水族館にいったとき、
妹は迷子になってしまった。
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