第九話貴族  

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「あっはっは、やっぱ姉ちゃんの怪力普通じゃねーよ」 「あまりおだてないでちょうだい、私調子にのりますの、おほほ」  姉はにこりと笑って。  どうやら残った2人は一番よわそうな妹にターゲットを変更すると、  彼らは妹の両腕をクロスさせ、  拘束しようとした。  ただそれは魔法が生み出した幻影のカミナリの塊であり、 「あばばば」 「あびびい」  と2人のおっさんたちは感電して気絶していった。  近くにいた冒険者たちは拍手喝采してくれたのだが、  おばちゃんの顔はすぐれないのだ。 「どうしたんですか? うるさいやつらを倒しましたよ」 「そういうことじゃないの、いい、あいつらは下っ端で、上にはもっとすごい人たちがいるのよ」 「なるほどなぁ、ということは50万ティンクを稼いだほうがいいってことかい? おばちゃん」 「それはこちらでなんとかしますわ」 「いいってことです。力にならせてください」 「ですが、本当にいいのですか? もともとはギャンブラーの元夫が起こした不祥事です。あの人は25万ティンクをかりてそれが利子やらなにやらで2倍になったのです。あの不良みたいな人たちの集まりのことを〈腐敗ドラゴン〉というギルド名ですのよ」  俺はゲームに関してはとても詳しい分類に位置する、  しかしこの世界でのギルドというのはどういうものなのかを聞こうとおもってたずねる。 「ギルドとはどういうものなのですか?」 「それはいろいろな冒険者たちが組み立てる組織、いえ、仕事のようなものでして、それぞれの得意パートを活用して働く人のことをギルドメンバーといいますわ」 「なるほど、つまりどういう仕事があるのですか?」 「はい、商売、素材集め、ダンジョン攻略、戦争出兵、いろいろと仕事はあります」 「なるほど、その中の一つで借金取りというのがあるわけですね」 「そのとおりです」
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