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俺は頭をぽりぽりとかき始める。
「おばちゃん、50万ティンクきっちりそろえてやろうじゃないの」
「ですがその方法があるのですか?」
「それを考えるのが俺だろ? な姉ちゃんに奈々子」
「そのとおり、頭のよさは三人の中ではぴかいちの弟」
「兄はこういうときいつも頼りにあるのですわ」
するとその宿屋の女将さんのおばちゃんは涙を流して喜んでくれた。
それは俺も同じで、
何か人のためになにかやりたいとおもっていた時期でもある。
俺たちが外にでようとしたまさにそのとき、
1人の老人が俺の肩をぽんぽんと叩いた。
〈若造よ、お金を稼ぐには冒険者ギルドにはいらぬか〉
「そういえば冒険者ギルドとか魔術師ギルドとかはどういう解釈なんだろうか?」
〈若造よ、ギルドは数百年続いているものもあればきえていくものもある。冒険者ギルドや、商人ギルド、または魔術師ギルドといったものは数百年の長い歴史がり、別のギルドより、一目おかれている。そういったギルドにはかけもちでたくさん入ることが可能とされておるのじゃ〉
「なるほど、それにしても爺さんの声が独特なのだが」
〈それはわしの声帯がつぶれておって、スキル「テレパシー」を使って伝えているのじゃ〉
「なるほど、姉ちゃんも奈々子も聞こえるか?」
「そうですわね」
「兄さんばっちり聞こえます」
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