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第二十話獅子王との決戦
現在姉は別な落とし穴の中に隠れており、
俺と妹はぎゅうぎゅうながら落とし穴にかくれている。
岩人間のゴーレムは十箇所に分散して落とし穴の中に隠れている。
今回落とし穴をこの短期間でつくったのは、20個の落とし穴だ。
それだけの落とし穴を作ることに成功したのは、
妹のゴーレム魔法のおかげでもある。
岩人間たちは岩でつくったスコップのようなもので、
片っ端から落とし穴をつくってくれた。
これだけの単純肉体労働ではゴーレム魔法はとてつもなく使い勝手のいい魔法だった。
そのあとも囮としての活躍ができるため、
俺は妹はもっと大事にすべきだと確認しあっていた。
もちろん確認先は姉さんだったが。
かくして獅子王は妹が陽動としてよびこんだゴーレムをおいかけて、ここにやってきた。
そのゴーレムはわざと落とし穴にはまったふりをした。
そうするときっと獅子王は気をつけだすはずだ。
「まずいわ」
囮役となっていたゴーレムが破壊された音がここまで響いた。
まるで飢えた怪物のようになってしまった獅子王の鼻息がここまで近づいてくる。
どうやら獅子王は鼻で追跡することも音で追跡することもできないくらい、興奮しており、さらにはなにかに取り付かれているような感じだ。
まぁ獅子王をじかに見たわけではない。
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