12人が本棚に入れています
本棚に追加
これって、乙女ゲーム?
王都の学園に入学した。
入学式の真っ最中に思い当たった。
ーーーあれ?
第一王子様、第二王子様、宰相様のご子息、騎士団長様のご子息、、、。
イケメン様がぞ~ろぞろ。
王子様の婚約者のご令嬢、その取り巻きたち。
これって、まさか乙女ゲーム?
思えば物心ついたころからモヤモヤとした違和感があった。
今思えば、前世の記憶がよみがえりかかっていたのだろう。
前世。
私は日本人で、結婚して、子供も産んだ。
その日々の生活の中で、乙女ゲームというものをやった事がある。
ファンタジー小説なるものも読んだ事があり、転生物や転移物を好んで読んでいた。
王子様などのイケメンが沢山いて、令嬢がいて、、、。
これで、あと聖女なんか転校してきたりしたら、モロ、乙女ゲームじゃねぇ?
まあ、乙女ゲームの世界に転生したとはさすがに思わないけどね。
でも、まさか、まさか、私って乙女ゲームのモブ位置かも???
私の自己紹介。
キャナル・ベルナンティ、16歳。
貴族の中でも一番下っ端のベルナンティ男爵の三女。
王都から遠い、辺境真近くの田舎の領地で暮らしていた。
家族は父母と、後継者の長男22歳。
長女と二女はもう嫁いでいる。
そして三女の私。
末子の次男はまだ8歳だ。
この学園に入学したので、3年間は寮暮らしになる。
前世の記憶はまだらにしかよみがえっていないので、16歳の少女と子供を産んだ大人が混在している。
歪な心を併せ持つ。
それが私。
最初のコメントを投稿しよう!