俺の嫌いなアイツ

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いつしか、牧野まで高橋をからかうようになった。 俺があまりにも高橋のことをけなしたりしてからかうから、牧野も面白がって俺側についた感じだ。 牧野は、1年の頃は高橋のこと可愛いとか言ってチヤホヤしてたくせに、今では高橋にブスなんて言い出すくらいだ。 誤解しないでほしいんだけど、これは決していじめとかではない。 実際高橋はブスじゃないし。まあ俺らが「ブス」って言ったら怒るけど本気で怒ってるっぽい感じではなさそうだし。 というか、高橋もまあまあ俺にひどいことを言い返してくるし。 だけどそれなりに俺の言った何気ない一言によく笑ってくれるし、俺もよく高橋の一言で笑う。 もしかしたら仲が良いとも言えるのかもしれない。 そんなある日。 いつものように高橋とそんなくだらない言い合いをしていたら、牧野が「高橋って健人のこと好きじゃねえの!?」なんて中学生みたいなことを言い出した。 「なんで!?うんー、まあ、好きだよ!」 高橋は笑いながらそう答えたけど、ノリで言っているということはその表情をみればすぐに分かる。 「やめて、気持ち悪い」 「ひどっ!」 そう言いつつ俺はそこまで悪い気はしなかった。 「お前ら、付き合えばいいのに」 牧野がニヤニヤしながらそう言ったが、俺ら二人は全力でお互い否定した。 ただ、そんなやりとりも楽しくないわけではなかった。 俺はその日、部活終わり一人で家まで歩きながら、高橋と付き合うことを少し想像してみた。 たしかにそれなりに楽しそうだけど、毎日あいつといるのもなんか疲れるしストレスたまりそうだな、と思った。 まあ、付き合うとか100%ないけど。 しかし、想像してしまった俺がいたことも事実だった。
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