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その翌日、高橋に彼氏ができてたことが判明した。
朝のホームルーム前。
いつも通り、隣の席の高橋と竹本は、ぺちゃくちゃ話していた。
もちろん、二人とも声が大きい上に、俺は隣の席なので全て丸聞こえである。
聞こえてはいるが、こいつらの会話はいつも聞き流している。
しかし、竹本の言った一言で、俺はぴくっとした。
「美咲!昨日カイとのプリクラめっちゃ可愛かったよ二人とも!こっちまで和むわぁ」
カイ?誰だそれ。
「えー結みたの!?一子のやつ勝手にみせたな」
「みたみた!しっかり保存したからね!」
「もぉーやめてよ!」
一子というのは、高橋や竹本と仲が良い違うクラスの女子で、俺らサッカー部のマネージャーをしている。
部員達には影で、あまり可愛くないと言われている。
「楽しかった?昨日!」
竹本は自分のことのように嬉しそうにはしゃいでいる。
「うんーまぁ、楽しかったよ!カイくんちょっとチャラそうだと思ってたけど、イメージと違ったなぁ」
「もうずっとカイに美咲のことで相談されてたんだからね!カイは幸せ者だね~」
「ほんとにー?まぁ、続くか分かんないけどねー!」
「ははっ、続けてよ!」
「頑張る一応」
どうやら、彼氏ができたみたいだった。
「高橋、お前彼氏できたの?」
俺は、もう会話を聞いてるから分かってはいたけど、一応絡んでみた。
「あー、うん、できたよ。先週!」
高橋は、笑顔で答えたけどなんかちょっと気まずそうだった。
多分、彼氏ができたことをまだ他の人にあまり知られたくなかったのかもしれない。
まぁ、丸聞こえな会話をするこいつらが悪いんだけどな。
てか、先週かよ。俺のこと好きとか冗談で言ってたとき、もう彼氏いたんじゃねえか。
俺は、なんかちょっとイラっとした。
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