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ある朝。
高橋はどうやら遅刻のようで、まだ教室にいなかった。
俺は牧野と竹本と3人でホールムームまでの時間を潰していた。
いつも高橋がいると俺は毒舌になるが、高橋がいないと毒を吐く相手もいなく、俺は穏やかだ。
「今日はうざい誰かがいないからいい朝だな~」
朝から機嫌が良い俺に、竹本が溜め息をついた。
「はぁー。まったく、そんなことばっか言って。美咲この間、結構本気で落ち込んでたよ。あんたがひどいこと言うから」
「え?」
「ああ見えて美咲、結構気にしてるんだからね。ていうか、最近エスカレートしてない?ノリとかじゃなくて本気で嫌ってない?」
「俺もそれ思ってた!最近健人、ガチだもん」
すかさず牧野もそう言った。
「そーかぁ?俺は思ったことを言ってるだけ。ていうかあいつも、笑ってんじゃん」
「表面上はそうだけど、美咲気にしてるんだからね。あんま言い過ぎないでよ!」
「へいへい」
竹本の言っていることは本気っぽかった。
俺もちょっと最近言い過ぎてたのは確かだ。
「健人、あんま言い過ぎて高橋泣かすなよ!まぁそれはそれでちょっと見てみたいけど。ははっ」
「牧野!」
「はい、すいません」
竹本に叱られ、牧野は苦笑いだった。
朝のホームルームが始まり、担任が話をしてる間、俺は俺なりに少し反省した。
そこまで高橋が気にしているとは思っていなかった。
あいつの事は嫌いだけど、あまり言い過ぎるのはやめよう。
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