俺の嫌いなアイツ

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2014年、4月。 季節は春。俺は高校2年生になった。 クラス替えでは、部活でもクラスでも1番仲の良かった工藤太一と離れてしまった。 太一は部活内でボス的存在だった。 例えば、太一が誰かの悪口を言うと周りの皆もその誰かを嫌ったり。 太一がターゲットにしたいじられキャラは、その後もずっといじられキャラのままであった。 シンプルに言えば、性格はそんなに良くない。むしろ悪い方。 部活のみんなも、太一の言うことには従うし太一の顔色も伺うけど、太一自身のことは好きではないと思う。 だが俺は、太一と一番仲が良い。 そう思えば、俺も少し性格が悪いからかもしれない。 もちろん自分では、自分が悪人だなんてそんなこと思わないけど。 そんな一番の友達だった太一とはクラスが離れ、同じサッカー部で同じクラスになったのは、牧野だった。 クラスに同じサッカー部が牧野しかいないというのは残念だったが、牧野とも仲が良い方なのでそれなりに問題は無かった。 クラス表をみたとき、自分の名前と牧野の名前の次に発見したのは、「高橋美咲」の文字だった。 ここから、俺と高橋美咲の関わりが始まった。
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