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始業式が終わり、教室に入った。
出席番号の順番で決められた席に座ると、隣の席に座っていたのは高橋美咲だった。
高橋は、後ろの友達と楽しそうに話している。
一番最初に思ったことは、「こいつらうるさい」。
高橋の後ろに座っていたのは、竹本結という女子だった。
「それでさ、カズシくんが鼻毛でててさ!あっははは!」
竹本の笑い声がクラス中に響く。
「ははは!カズシくんおもしろすぎでしょ!この間カズシくんからLINEきたけど速攻ぶちった!」
高橋の声も、なかなか負けていなかった。
何について話しているのは、隣に座る俺には全て丸聞こえだし、その会話もろくなものじゃなかった。
「かわいそう~返してあげなよ!」
「顔がどうしてもタイプじゃないんだよね~」
「たしかに。まぁ美咲もはやく彼氏つくらないとね!」
「うーんいい人いるかなぁ~」
この時俺は、高橋は谷本と別れたことを知った。
まあどうでもいいけど。
それにしても、くっだらない女子トーク。
なぜかこの会話を聞いているだけで、俺はイライラしていた。
というか、高橋のことを勝手にもっとおしとやかで女の子っぽい子だと思ってたけど、なんとなくこの会話の感じで俺の無理なタイプだと思った。
あとなんか声がでかい。
それからも二人は、隣に座る俺のことなんか気にする様子もなく、どこの誰かも知らないカズシという奴の鼻毛が出ていた話で盛り上がっていた。
まあ、高校生の女子の会話なんて大体こんなもんだろうし、これが普通だと思うけど、なんか俺はイライラした。
なんでか分からないけど。
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