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医者
見えている世界がすべてじゃない。
それは、悪魔も同じ。
ひひひ、私の名前は、悪魔五郎。
この世のなかは、怒りや、憎しみ、願望で、満ちている。
そんな、お客様の願望を叶えるのが、私の役目だ。
お金ですって、いやあ、そんな物、一円も頂きませんよ。
私が頂くのは、人間の欲望の心。
この世の中、老若男女問わず、心の寂しい人ばかりだ、ひひひ。
僕、中野剛志/17歳/高2。
......ある日僕は、電車に乗っていた。
よく晴れた天気だった。しかし、心は優うつだった。
なぜかと言うと、隣の少女のヘッドフォンの音が、漏れて、うるさいからだ。
......電車に乗っていると、白衣を着た男が、じっと見てきた
......あんまり、かかわらないほうがいいな。病院でもないのに、白衣を着ている何て。
しかし、そんなことを考えていられる状態ではない。
電車は、すし詰め状態だった。
気温は、四十度越え、暑苦しくて、しょうがない。
しかも、電車のタイヤの音が、今日は、うるさい。
あー、今日は、感じの悪い運転手か、運転の仕方は、人の性格を表すと言う
んだ。
ーいたい!
ギューギューに、押され、窒息しそうになった。
そんな中、一人の少女が、僕の手を取り、
[この人、痴漢ですと、言った]
[そんな、僕は、痴漢何て、していない]
僕は、警察に連く事になった。
中華街駅の改札を抜けると、白衣を着た男がいた。
[違うんだ、誤解だ!]
僕が叫んでいると、白衣を着た男が、何か警察と話していた。
警察は、白衣を着た男に、言った。
[お勤め、ご苦労様です]
僕は、解放された。
[もう、するんじゃないぞ]
......僕は、聞いた
[あんた、一体何者なんだ!? 警察を味方につけるなんて]
[いやあ......あれは、一種の催眠術を掛けた、だけだよ]
『......僕は、この医者、や っぱり、ヤバいと思った?』
その場から、立ち去ろうとした。
すると、医者が、僕の手を取った。
[まちなさい、私の病院に、行こう]
[いえ、けっこうだと、言った]
[私の病院に行けば、あの少女に、二度とイタズラ出来なくする物をあなたに、渡すよ]
[そんなこと、しなくていい、そんなことをしたら、またひどいめにあうじゃないか]
[......ひひひ、あなたは怒りと、憎しみと、願望が満ちていません。それを解消する手伝いをしたいんだ]
[どうせ、お金を取るんだろ]
[......いえ、ボランティアだから、一円たりとも、もらいませんよ。私が欲しいのは、怒りと、憎しみと、願望だよ......]
僕は、あまり医者がしこついので、警察を呼ぼうと、携帯電話を出した。
医者が人差し指を、僕に向けた。
[これを見ても、その行動がとれるか]
ドカン!
すると、少女が笑っている映像が流れる。
[アハハハ、あの男の顔、最高だったよ。今度写メとろ]
少女は、友達の子達と、カラオケで、楽しくやっていた。
ブチッ!
僕のギリギリにこらえていた、堪忍袋の緒が切れる。
[許さん、間違いなら、まだしも、はめるなんて]
[ひひひ......いい感じに、怒りと、憎しみと、願望が育っているね]
医者は、ニヤリと笑った。
......僕は、医者の病院に来た。
看板には、横浜総合病院とあった。
病院の椅子に腰掛けると、一時間以上待つことになった。
その間、、周りを見ると、いろんな人がいる。
松葉づえをついている人、携帯をいじっている人、あくびをしている人。
名前を呼ばれると、診察室のドアを開けた。
診察室に入ると、医者が待っている。
周りを見ると、いろんな薬など、ロボットなど、医療器具が置いてあった。
[まずは、自己紹介といきましょう。私の名前は、悪魔五郎だ]
名刺を渡される。
僕が、名前を言おうとする。
[......中野つよしさんだね]
[......どうして、僕の名前を!?]
[......ひひひ、たまたま、通りかかったときに、名前を覚えた]
自己紹介が、終わり、例の物を、医者が持ってくる。
『一体、どんな物を渡すんだろうと思い、僕は、ドキドキした』
医者が、丸い玉を置く。
[一体、何だ、これ!?]
[脅かし玉
[一体、どんな効果があるの]
僕が聞くと、医者が言う。
[脅かす]
[それだけと、僕が、がっかりすると]
[ただ、脅かすんじゃない。相手の一番怖い物が、死ぬほど、見えるんだ。それは、脅かし玉を受けた人しか、見えない]
ゴクリと、息を飲んだ。
[使ったら、もう後戻りは出来ない。でも、これで、復讐できるなら、安いもんか]
[どうしますか]
医者が言ってくると、僕は迷いながらも、決心を決めた。
僕が言った。
[じゃあ、それをくれ]
[まあ、待ちなさい。これは、危険なので、一回しか使ってはいけません。もし、約束を破ったら、罰ゲームを受けてもらう]
[うん、分かったと、僕は、うなづいた]
次の日僕は、電車に乗った。
ドアが開くと、中に入った。
電車の中は、携帯をじっと見ている人と、ヨボヨボの老人だけだった。
僕は、つぶやいた。[いない、まあいい、効果をためしてやる]
しかし、おかしいなと思った。昨日より、明らかに人が少ない。しかも、電車のタイヤの音も静かだし、状況がよすぎる。僕は、薄気味悪い物を感じていた。
そろそろ来るころだろと、思った。
少女達が、にやにや笑いながら現れる。
[変態さん、よく同じ電車に乗ってこれたわね]
僕は、気を取り直した。
[ほざけ! これでも食らえ!]
僕は、持っていた、脅かし玉を、少女達に向かって投げた。
すると、煙が上がり、辺りに巻き散らされた。
[ゲホッ! 何すんだてめえ!?]
少女達は、咳き込んだ。
『一体、どうなったんだ』
煙で、辺りが見えなくなり、僕も、咳き込んだ。
[ぎゃあああああああー!]
その瞬間、少女達が悲鳴をあげ、、漏らしてしまった。
僕は、ポカーンと、あっけにとられるが、ニヤリと笑った。
[こいつは、いい]
僕は、医者がいないことを確認すると、脅かし玉を、もう一度、使おうとした。
しかし、医者が、手をつかむ。
[あなた、約束を破りましたね]
[離せ! こいつ、殺してやる!]
[穏やかじゃないね。君には、これがお似合いだ]
医者は、人形を出す。
すると、僕は、目をつぶる。
僕の目には、きれいな少女がパンツをめくり、誘惑してくるのが見える。
『これは、いいと思い、僕は、少女に触ろうとした』
しかし、少女は、遠くに行った。
近付けば、離れる、それを繰り返す。
電車の中の人達は、気の毒そうに、僕を見ていた。
僕は、少女の幻を見ている。
人形に、触っていたのだ。
[......ひひひ、約束は、破ってはいけませんね]
医者は、ニヤリと笑った。完
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