僕がすべきこと

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僕がすべきこと

 高校生活最後の夏休みが始まった。綾野先輩と過ごした小4の夏休み以来、僕はずっと一人ぼっちで過ごしてきた。 朝から晩までクーラーの効いた部屋で現実逃避に勤しむ。ゲームかアニメか小説か映画。両親はもちろん仕事だし、沙綾は部活だから、家には僕しかいない。学校でも夏休みでも一人ぼっちには変わりないが、学校があるよりは気が楽だ。日が沈めば部屋から出て、少し散歩して眠る。今年の夏休みもそんな感じで終えるつもりだった。でも神様がいたずらをした。というよりお遊びの被検体にされた。 ☆☆☆  茹だるような暑さが僕を照り付ける。7月下旬の太陽は嫌いだ。僕は砂時計をもって昼下がりの公園に向かった。真ん中に大きな噴水を有するこの公園は平日の昼間でもかなり賑わっている。蝉が永遠と鳴き続け、子供たちの笑い声がプールのほうから聞こえてくる。  この公園にはたしかドッグランがあったはずだ。暑い中をTシャツにジーパンで探し回るとゲージに囲まれた広いスペースに行き着いた。犬の鳴き声が聞こえてくる。大型犬用と小型犬用があり、大型犬用のドッグランにゴールデンレトリバーが元気よく駆けていくのが見える。
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