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「1-Sは一番奥なんだよな。歩くの大変だ」
「仕方がないよ~。手前にしちゃうと野次馬が来そうだよ~」
「そうなんだよな」
2人は、ゆっくり話ながら教室へと向かった。
特に優れた者を集めたSクラスは注目の的だ。特進科ともなれば立場上、他のクラスを覗き見る事も無いが、普通科は違う。どんな人達が通うか気になって仕方がない。通路沿いに造ってしまうと皆に見られてしまう為、一番奥にした。
長い廊下を2人は歩き続けた。話ながら歩いていると、廊下は突き当たりに差し掛かり1-Sの表札があった。2人は、中に入ると席が7席あり4人が座っていた。由樹と彰は空いている窓側の後ろの席に並んで座った。
今年の普通科Sクラスは7人、特進科も7人だった。Sクラスは、Aクラスに比べて差が出てしまう為、毎年クラスに偏りがないよう、Sクラスを設けている。Aクラスに割り振れなかった者をSクラスに割り振っている為、人数は毎年バラバラだった。
そんな中に、由樹と彰も入っていた。今年の普通科1-Sは男子生徒5人女子生徒2人だ。最後の1人も来て席に着き担任の先生を待った。
「お待たせしました」
そんな中に、1人の先生が現れた。
黒い髪をオールバックにさせ、白いスーツを着ていた。身長が190cmの長身で、見るからに怖いが喋り方からして腰の低い先生だ。見た目と中身が合っていない。
「私、1-Sクラスを任されました。村田 晃義と言います。どうぞ宜しくお願いします」
村田先生は、丁寧にお辞儀をしてクラスメイトの紹介に移った。自己紹介するかと思えば、村田先生が名前を読み上げて終わった。今日の所は、授業は無く今後の説明や、教科書と書類を貰って解散になった。教室のロッカーに教科書をしまい、教室を後にした。
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